『腹部』にも症状がみられる病気・障害
背中の痛みのほかに、お腹まわりに様々な症状が現れる可能性のある病気や障害を紹介します。
現れる症状の内容や程度には個人差がありますので、あくまで参考とするに留めてください。
病名をクリックすると、病気の詳しい解説ページに移ります。
<目 次>
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1.腹痛
【主な症状・特徴】
- 発熱、体のだるさ(倦怠感)、寒気、吐き気、下痢(げり)
- 鼻水、鼻づまり、くしゃみ、咳(せき)、痰(たん)、声がかれる
- 頭痛、腹痛、関節の痛み、喉の痛み、筋肉痛
肺や、肺を包む膜(胸膜)に炎症が起きた状態
【主な症状・特徴】
- せきが長く続いている
- せきといっしょにタンも良く出る
- タンに血が混じる(血痰)
- 動悸、息切れ、呼吸困難
- 発熱、寒け、胸の痛み、頭痛、腹痛、だるさ
- 風邪やインフルエンザと症状が非常によく似ている
- かぜやインフルエンザの悪化で発症する例が多い
心臓の筋肉に栄養を送る冠状動脈に障害が起きて、心臓に送る血液が不足する病気
【主な症状・特徴】
- 胸に起こる発作的な痛み。胸から喉(のど)、左肩、左腕などに広がりやすい
- 背中の左側の痛み
- 胸の痛みが主だが、腹痛、頭痛、動悸、息切れ、吐き気などが見られることも
- 動脈硬化によるものが多い。動脈硬化はコレステロールの摂り過ぎ、糖尿病、高血圧、喫煙、肥満、運動不足、ストレス、加齢などによって起こる
胃に炎症が起きたり(胃炎)、粘膜がえぐられたり(胃潰瘍)、悪性腫瘍ができるもの(胃がん)。
【主な症状・特徴】
- 背中や腰の左側の痛み
- 空腹時や食後の腹痛(食事中は痛みが軽くなる)
- 腹痛(胃のあたり)、胸焼け、胸や胃のむかつき、吐き気、嘔吐、頭痛
- 重症時は吐血や血の混じった便も
- 暴飲暴食、お酒の飲み過ぎ、刺激の強い飲食物、特定の薬剤
- ピロリ菌の感染(慢性胃炎、胃潰瘍・十二指腸潰瘍)
- ストレスや不規則な生活
腎臓が細菌に感染して炎症を起こしたり(腎盂炎)、腎臓内に石ができたり(腎結石)、悪性腫瘍ができるもの(腎臓がん)。
【主な症状・特徴】
- 腰、わき腹、背中あたりの痛み(腎盂炎・腎結石)
- おしっこの回数が増えたり、排尿痛や残尿感がある(腎盂炎)
- 発熱、頭痛、ふるえ、だるさなど、かぜによく似た症状(腎盂炎)
- 血尿が出る(腎結石・腎臓がん)
- 「腎盂炎」:尿道からの細菌感染によるものが多い(膀胱、尿道、前立腺などの障害があると生じやすい)
- 「腎結石」:膀胱や尿道の病気・異常、水分不足など
腎臓に尿がたまる病気
【主な症状・特徴】
- 背中やわき腹から腰、下腹部にかけての痛み
- 尿の通り道の炎症、病気、結石などが原因で流れが悪くなることで生じる。妊婦に発症することもある
肝臓に炎症が起きたもの(肝炎)や、肝臓にできる悪性腫瘍(肝臓がん)。
【主な症状・特徴】
- 背中や腰の右側の痛み
- 眼、皮膚、体液が黄色っぽく変色する(黄疸)
- 発熱、食欲不振、吐き気、だるさ、腹痛など風邪に似た症状
- お腹の右上部分の痛みやしこり(肝臓がん)
- お腹が張ってカエルのようにふくらむ(肝臓がん)
- 「肝炎」:カキ二枚貝、性行為、針刺しなどによるウイルス感染、過度の飲酒
- 「肝臓がん」:肝炎や肝硬変の悪化。他の臓器のがんの転移
膵臓の消化酵素の過剰分泌によって炎症が起きるもの(膵炎)や、膵臓にできる悪性腫瘍(膵臓がん)。
【主な症状・特徴】
- 背中の左側の痛み
- みぞおちから左わき腹にかけての痛み
膵炎は急な激痛で、膵臓がんは鈍く痛む。左肩や左背中まで響くことが多く、時には胸や腰にまで及ぶ
痛みは食事をすると強まり、絶食すると軽くなる - 眼、皮膚、体液が黄色っぽく変色する(黄疸)
- 発熱、食欲がない、吐き気・嘔吐、下痢、お腹の張った感じ
- 「膵炎」:アルコールや胆石が原因のものが全体の約2/3を占める
- 「膵臓がん」:詳しい原因は不明
胆嚢内で石ができたり(胆石症)、炎症が起きたり(胆嚢炎)、悪性腫瘍ができるもの(胆嚢・胆管がん)。
【主な症状・特徴】
- 食事後の"みぞおち"から右わき腹にかけての急な激痛。痛みは右肩や右背中まで響くことが多く、時には胸や腰にまで及ぶ
- 発熱、寒気、吐き気、疲れやだるさ
- 眼や皮膚や体液が黄色っぽくくすむ(黄疸)
- お腹の張り(胆石症)
- 白い便(胆石症)、赤色や黒色の便(胆嚢がん・胆管がん)
- 食べ過ぎ、脂肪の摂り過ぎ、肥満、ストレス、不摂生、体質などが原因で「胆石」ができやすく、胆石があると胆嚢炎や胆嚢がん・胆管がんになりやすい
腸が狭くなったり、ねじれた状態になるもの
【主な症状・特徴】
- お腹が激しく傷んだり、楽になったりを繰り返す
- オナラや便が出にくく、お腹がふくれる
- 便秘
- 吐き気、嘔吐
- 手術や病気が原因で腸がくっついてしまったり、生まれつきの体質による
背骨に細菌が侵入して炎症を起こし膿(うみ)がたまる病気
【主な症状・特徴】
- 腰や背中の突然の激痛
- 動かず安静にしていても痛み、患部をたたくと非常に痛む
- 発熱、寒け、頭痛、腹痛など風邪のような症状が出ることも
- 病気などで化膿した部分の細菌が血管を通じて感染する
- 膀胱炎などの泌尿器や生殖器系の病気で生じた炎症が血管を通じて広がる
結核の原因となる結核菌が脊椎に感染して炎症を起こす病気
【主な症状・特徴】
- 腰や背中の中心に鈍い痛みやコリがあり、患部を押したり叩いた時にも痛む
- 発熱、寒け、頭痛、腹痛など風邪のような症状が出ることも
- 過去に感染した結核菌が体内に残っていて、免疫(抵抗力)の低下によって再び活性化したり、周囲の結核患者から感染したりする
子宮内部にコブができたり(子宮筋腫)、子宮の内膜が本来とは別の箇所にもできたり(子宮内膜症)、悪性腫瘍ができるもの(子宮がん)。
【主な症状・特徴】
- 生理期間外の性器からの出血(子宮筋腫、子宮がん)
- 生理の出血量が異常に多い(子宮筋腫)
- 生理痛がとても強い。お腹や腰が激しく痛み、頭痛や吐き気、のぼせ、むくみ、貧血などを伴う(子宮内膜症)
- セックス中の痛みや性器からの出血、貧血(子宮がん)
- おりものが増える、臭う、血が混じるなど(子宮がん)
- 「子宮筋腫・子宮内膜症」:詳しい原因は不明。30〜40歳代の女性に多くみられる
- 「子宮がん」:子宮頸がんはウイルス感染によるものが多く、性行為によって感染する。子宮体がんは女性ホルモン「エストロゲン」が長期間分泌されると発症しやすい
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2.腹の張り(膨満感)、げっぷ、胃のむかつきなど
胃に炎症が起きている状態
【主な症状・特徴】
- 背中の左側の痛み
- 腹痛(胃のあたり)、胸焼け、胸や胃のむかつき、吐き気、嘔吐、頭痛
- 重症時は吐血や血の混じった便も
- 暴飲暴食、お酒の飲み過ぎ、刺激の強い飲食物、特定の薬剤(急性胃炎)
- ピロリ菌の感染(慢性胃炎)
- ストレスや不規則な生活(神経性胃炎)
食道に炎症が起きている状態
【主な症状・特徴】
- 胸焼け、胸のあたりの不快感
- 食べ物を飲み込むときに、のどから胸のあたりが痛む(しみる)
- 空腹時でもお腹が張っている感じ、満腹感がある
- 食事中、横になった時、前かがみの時などに胃酸の逆流を感じる
- げっぷがたくさん出て、嘔吐する(嘔吐感がある)
- みぞおちや胸の痛み
- 胃酸の分泌を増やす行為(暴飲暴食、刺激の強い食べ物の摂取、飲酒・喫煙など)。そのほかストレス、腹圧の上昇、ウイルス感染など
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