食道炎・逆流性食道炎とは(症状・原因・治療)
背中の痛みを引き起こす可能性のある病気の一つに「食道炎(しょくどうえん)・逆流性食道炎(ぎゃくりゅうせいしょくどうえん)」があります。
ここでは背中の痛みとの関係を交えながら解説します。
スポンサーリンク
1.食道炎・逆流性食道炎が疑われる症状
背中の痛みのほかに、以下のような特徴や症状が見られる場合、食道炎または逆流性食道炎が発症している可能性があります。
- 胸焼けがする、胸のあたりに不快感がある
- 食べ物を飲み込むときに、のどから胸のあたりが痛む、またはしみる
- みぞおちや前胸部の痛み
- 食事中、横になった時、前屈した時などに胃酸の逆流を感じる
- 空腹時でもお腹が張っている感じ、満腹感がある
- げっぷがたくさん出て嘔吐する(嘔吐感がある)
2.食道炎・逆流性食道炎とは 〜 原因と特徴
食道炎とは、食道に炎症が起きている状態のことです。
胃の内容物が逆流して、胃液などの刺激により炎症を起こしたものを逆流性食道炎といいます。
食道炎の原因となる炎症は、ウイルスやカビの感染、薬物、薬のカプセルなどの異物による刺激、香辛料や熱い飲食物による刺激、胃液や腸液の逆流などによって起こります。
逆流性食道炎の原因である胃液や腸液の逆流は以下のような要因によって起こります。
- ストレス
- 飲酒、喫煙
- 暴飲、暴食
- 妊娠・肥満・便秘・運動による腹圧の上昇
- 消化不良
食べ過ぎや、消化の悪い食べ物のとりすぎは、胃酸の分泌を増やすため食道炎や逆流性食道炎につながります。そこに更にストレスや喫煙などの要因が加わると更に発症リスクが高まります。
◆消化の良い食べ物・悪い食べ物
胃にやさしい消化の良い食べ物
- 米やイモ類などの炭水化物。パンや麺類の原料となる小麦はあまり消化が良くないため、うどんなどの柔らかいものがおすすめ
- 魚、卵、豆類、乳製品などのタンパク質(脂分の多い肉は除く)
- ヨーグルトやチーズ、納豆、味噌など、乳酸菌の多い食べ物や発酵食品
- ビタミン・ミネラル類の豊富な野菜や果物。ただし酸味の強い果物は除く。また、食物繊維は消化が悪いため、豊富に含む食材のとりすぎに注意。ただし、整腸作用があり便秘の解消に効果的なため適量を摂取しましょう
胃によくない消化の悪い食べ物
- アルコール類
- コーヒーなどカフェインを含むもの
- 炭酸飲料
- 香辛料や唐辛子などの刺激の強い食べ物
- 梅干しやレモン、柑橘類など、酸味の強い食べ物
- 脂肪の多い油っぽい食べ物
- 砂糖を多く含む甘い食べ物
- 熱すぎる、または冷たい飲食物
- カップ麺などの加工食品
- 食物繊維の豊富な食べ物
スポンサーリンク
3.診断・治療・予防
食道のX線撮影(レントゲン)や内視鏡検査で炎症の有無を確認して診断します。
治療は胃酸を中和する薬による薬物療法が主体になります。
症状が軽度の場合は、既に述べたような「胃液の逆流を促す要因」の改善を図りつつ、「刺激が強い・消化の悪い食物を避ける」、「食事量を減らす」、「食後に横になるなどの胃酸が逆流しやすい行動をしない」、などの生活習慣の改善も行いながら様子を見る場合もあります。
逆流性食道炎の場合は、上体を普段よりも高くして寝ると逆流が起こりにくくなります。
4.その他
【食道炎・逆流性食道炎の原因となる病気】
- 食道裂孔ヘルニア
本来、食道と胃をつなぐ部分(食道裂孔)よりも上にはないはずの胃の一部が、食道側へはみだした状態
【食道炎・逆流性食道炎が原因で起こる病気】
- 食道潰瘍(しょくどうかいよう)
食道の炎症が粘膜の奥深くにまで及んでいる状態。
スポンサーリンク