『首・のど』にも症状がみられる病気・障害
背中の痛みのほかに、首やのどに様々な症状が現れる可能性のある病気や障害を紹介します。
現れる症状の内容や程度には個人差がありますので、あくまで参考とするに留めてください。
病名をクリックすると、病気の詳しい解説ページに移ります。
<目 次>
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1.首の痛み
【主な症状・特徴】
- 首、肩、背中のあたりがずっしりと重く感じたり、だるさ、鈍痛、しびれ、不快感などがある
- 肩から首すじのあたりがガチガチにこわばっている、または張っている
- 首・肩・背中の筋肉に大きな負担がかかったり、筋肉の緊張が続くことで、筋肉が疲労して血液の流れが悪くなる
- 首や肩を動かさない姿勢を続けることで起こりやすい
寝違えとは首の筋肉や腱に炎症が生じた状態。むち打ち症とは首の骨(頚椎)のねんざ。
【主な症状・特徴】
- 首を動かすと筋肉痛のような痛みが走る
- 首が固定されて一定以上動かせない
- 首まわりに痛みや重さを感じる
- 頭痛・めまい・吐き気・耳鳴り・まぶしさなど
- 首の筋肉や腱、周辺の関節に大きな衝撃や圧力をかけたり、無理に伸ばされることによる
首の骨(頚椎)を構成する軟骨組織「椎間板」がつぶれて、中身が外に飛び出た状態
【主な症状・特徴】
- 首や肩、背中、胸、腕などのしびれや痛み
- 手足のしびれ、痛み、脱力感
- 加齢や首への負担の蓄積による椎間板の老化
首の骨(頚椎)が変形して、周囲の神経を刺激するもの
【主な症状・特徴】
- 肩こりがある
- 肩や背中、後頭部から首などに痛みやしびれを感じる
- 自然な老化現象であるため高齢者に多い
- 下半身の痛みやしびれ、歩行困難、排尿障害
- 加齢や首への負荷の蓄積
鎖骨とその下の肋骨の間のすき間「胸郭出口」を通る神経が圧迫されるもの
【主な症状・特徴】
- 首から肩甲骨(背中上部の左右の骨)にかけての痛み
- 首から肩、腕へかけてひどくだるくなり、疲れやすさやしびれを感じる
- 小指や薬指の知覚異常
- なで肩で筋肉が少ない人に起こりやすく、30歳前後の女性に多く見られる
- 首が短く、いかり肩の人も胸郭出口が狭いので発症しやすい
2.咳(せき)、痰(タン)、動悸、息切れ、呼吸困難、のどの痛みや詰まり
【主な症状・特徴】
- 発熱、体のだるさ(倦怠感)、寒気、吐き気、下痢(げり)
- 鼻水、鼻づまり、くしゃみ、咳(せき)、痰(たん)、声がかれる
- 頭痛、腹痛、関節の痛み、喉の痛み、筋肉痛
肺や、肺を包む膜(胸膜)に炎症が起きた状態
【主な症状・特徴】
- せきが長く続いている
- せきといっしょにタンも良く出る
- タンに血が混じる(血痰)
- 動悸、息切れ、呼吸困難
- 発熱、寒け、胸の痛み、だるさ
- 風邪やインフルエンザと症状が非常によく似ている
- かぜやインフルエンザの悪化で発症する例が多い
食道に炎症が起きている状態
【主な症状・特徴】
- 胸焼け、胸のあたりの不快感
- 食べ物を飲み込むときに、のどから胸のあたりが痛む(しみる)
- 空腹時でもお腹が張っている感じ、満腹感がある
- 食事中、横になった時、前かがみの時などに胃酸の逆流を感じる
- げっぷがたくさん出て、嘔吐する(嘔吐感がある)
- みぞおちや胸の痛み
- 胃酸の分泌を増やす行為(暴飲暴食、刺激の強い食べ物の摂取、飲酒・喫煙など)。そのほかストレス、腹圧の上昇、ウイルス感染など
心臓の筋肉に栄養を送る冠状動脈に障害が起きて、心臓に送る血液が不足する病気
【主な症状・特徴】
- 胸に起こる発作的な痛み。胸から喉(のど)、左肩、左腕などに広がりやすい
- 背中の左側の痛み
- 胸の痛みが主だが、腹痛、頭痛、動悸、息切れ、吐き気などが見られることも
- 動脈硬化によるものが多い。動脈硬化はコレステロールの摂り過ぎ、糖尿病、高血圧、喫煙、肥満、運動不足、ストレス、加齢などによって起こる
大動脈が弱くなって「こぶ」のようにふくらんだり、動脈の壁が裂けてしまった状態
【主な症状・特徴】
- 咳(せき)、息切れ、しわがれ声、物が飲みにくい
- 胸の痛み
- 顔のむくみ
- 動脈が破れると胸と背中に激痛が起こる。腹部や腰に及ぶこともある
- 動脈硬化によるものが多い。動脈硬化はコレステロールの摂り過ぎ、糖尿病、高血圧、喫煙、肥満、運動不足、ストレス、加齢などによって起こる
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3.吐き気・嘔吐
【主な症状・特徴】
- 発熱、体のだるさ(倦怠感)、寒気、吐き気、下痢(げり)
- 鼻水、鼻づまり、くしゃみ、咳(せき)、痰(たん)、声がかれる
- 頭痛、腹痛、関節の痛み、喉の痛み、筋肉痛
食道に炎症が起きている状態
【主な症状・特徴】
- 胸焼け、胸のあたりの不快感
- 食べ物を飲み込むときに、のどから胸のあたりが痛む(しみる)
- 空腹時でもお腹が張っている感じ、満腹感がある
- 食事中、横になった時、前かがみの時などに胃酸の逆流を感じる
- げっぷがたくさん出て、嘔吐する(嘔吐感がある)
- みぞおちや胸の痛み
- 胃酸の分泌を増やす行為(暴飲暴食、刺激の強い食べ物の摂取、飲酒・喫煙など)。そのほかストレス、腹圧の上昇、ウイルス感染など
胃に炎症が起きたり(胃炎)、粘膜がえぐられたり(胃潰瘍)、悪性腫瘍ができるもの(胃がん)。
【主な症状・特徴】
- 背中や腰の左側の痛み
- 空腹時や食後の腹痛(食事中は痛みが軽くなる)
- 腹痛(胃のあたり)、胸焼け、胸や胃のむかつき、吐き気、嘔吐、頭痛
- 重症時は吐血や血の混じった便も
- 暴飲暴食、お酒の飲み過ぎ、刺激の強い飲食物、特定の薬剤
- ピロリ菌の感染(慢性胃炎、胃潰瘍・十二指腸潰瘍)
- ストレスや不規則な生活
腎臓が細菌に感染して炎症を起こしたり(腎盂炎)、腎臓内に石ができたり(腎結石)、悪性腫瘍ができるもの(腎臓がん)。
【主な症状・特徴】
- 腰、わき腹、背中あたりの痛み(腎盂炎・腎結石)
- おしっこの回数が増えたり、排尿痛や残尿感がある(腎盂炎)
- 発熱、頭痛、ふるえ、だるさなど、かぜによく似た症状(腎盂炎)
- 血尿が出る(腎結石・腎臓がん)
- 「腎盂炎」:尿道からの細菌感染によるものが多い(膀胱、尿道、前立腺などの障害があると生じやすい)
- 「腎結石」:膀胱や尿道の病気・異常、水分不足など
肝臓に炎症が起きたもの(肝炎)や、肝臓にできる悪性腫瘍(肝臓がん)。
【主な症状・特徴】
- 背中や腰の右側の痛み
- 眼、皮膚、体液が黄色っぽく変色する(黄疸)
- 発熱、食欲不振、吐き気、だるさ、腹痛など風邪に似た症状
- お腹の右上部分の痛みやしこり(肝臓がん)
- お腹が張ってカエルのようにふくらむ(肝臓がん)
- 「肝炎」:カキ二枚貝、性行為、針刺しなどによるウイルス感染、過度の飲酒
- 「肝臓がん」:肝炎や肝硬変の悪化。他の臓器のがんの転移
膵臓の消化酵素の過剰分泌によって炎症が起きるもの(膵炎)や、膵臓にできる悪性腫瘍(膵臓がん)。
【主な症状・特徴】
- 背中の左側の痛み
- みぞおちから左わき腹にかけての痛み
膵炎は急な激痛で、膵臓がんは鈍く痛む。左肩や左背中まで響くことが多く、時には胸や腰にまで及ぶ
痛みは食事をすると強まり、絶食すると軽くなる - 眼、皮膚、体液が黄色っぽく変色する(黄疸)
- 発熱、食欲がない、吐き気・嘔吐、下痢、お腹の張った感じ
- 「膵炎」:アルコールや胆石が原因のものが全体の約2/3を占める
- 「膵臓がん」:詳しい原因は不明
胆嚢内で石ができたり(胆石症)、炎症が起きたり(胆嚢炎)、悪性腫瘍ができるもの(胆嚢・胆管がん)。
【主な症状・特徴】
- 食事後の"みぞおち"から右わき腹にかけての急な激痛。痛みは右肩や右背中まで響くことが多く、時には胸や腰にまで及ぶ
- 発熱、寒気、吐き気、疲れやだるさ
- 眼や皮膚や体液が黄色っぽくくすむ(黄疸)、白い便
- お腹の張り(胆石症)
- 白い便(胆石症)、赤色や黒色の便(胆嚢がん・胆管がん)
- 食べ過ぎ、脂肪の摂り過ぎ、肥満、ストレス、不摂生、体質などが原因で「胆石」ができやすく、胆石があると胆嚢炎や胆嚢がん・胆管がんになりやすい
腸が狭くなったり、ねじれた状態になるもの
【主な症状・特徴】
- お腹が激しく傷んだり、楽になったりを繰り返す
- オナラや便が出にくく、お腹がふくれる
- 便秘
- 吐き気、嘔吐
- 手術や病気が原因で腸がくっついてしまったり、生まれつきの体質による
4.吐血
胃に炎症が起きたり(胃炎)、粘膜がえぐられたり(胃潰瘍)、悪性腫瘍ができるもの(胃がん)。
【主な症状・特徴】
- 背中や腰の左側の痛み
- 空腹時や食後の腹痛(食事中は痛みが軽くなる)
- 腹痛(胃のあたり)、胸焼け、胸や胃のむかつき、吐き気、嘔吐、頭痛
- 重症時は吐血や血の混じった便も
- 暴飲暴食、お酒の飲み過ぎ、刺激の強い飲食物、特定の薬剤
- ピロリ菌の感染(慢性胃炎、胃潰瘍・十二指腸潰瘍)
- ストレスや不規則な生活
【主な症状・特徴】
- 背中の右側の痛み、右わき腹の痛み・しこり・違和感
- 発熱、寒気、吐き気、疲れやだるさ
- 眼や皮膚や体液が黄色っぽくくすむ(黄疸)
- 吐血、赤色や黒色の便
- 食べ過ぎ、脂肪の摂り過ぎ、肥満、ストレス、不摂生、体質などが原因で「胆石」ができやすく、胆石があるとがんになりやすい
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