肩こりによって背中が痛むケース

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背中の痛みの対策と予防 解剖図イラスト:背中の骨・筋肉 背中の痛みの体験談

肩こりの詳細(症状・原因・対策)

背中の痛みの原因として一番多いものが"肩こり"であるといわれます。
肩と背中の筋肉は隣り合っているため、肩にかかる負担はそのまま背中に直結しやすく、肩から背中の筋肉が緊張し疲労することによって痛みが起こります。

<目 次>

  1. 肩こりの「症状」
  2. 肩こりが起こる「原因」
  3. 肩こりを解消・予防するための「対策」
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1.肩こりが疑われる症状

痛む箇所
肩こりで痛む箇所-背中、首まわり

背中の痛みのほかに、以下のような特徴や症状が見られる場合、肩こりが発症している可能性があります。



  • 首、肩、背中にかけての違和感、不快感、だるさ、しびれ、鈍痛など
  • 首、肩、背中の辺りがずっしりと重く感じる
  • 肩〜首すじがガチガチにこわばっている、または張っている
  • 肩から腕にかけてしびれがある

肩こりがひどくなると、頭痛や吐き気、精神的な不安感や鬱(うつ)状態を引き起こすこともあります。

2.肩こりとは 〜 原因と特徴

肩の血行障害「肩こり」

肩こりとは、首・肩・背中の筋肉にかかる負担が大きくなったり、筋肉の緊張が続くことで、筋肉が疲労して血液の流れ「血行」が悪くなっている状態(血行障害)のことです。

筋肉が緊張して固くなるのはどんな時かというと、「筋肉をしばらく動かしていない時」、「一定以上の力を入れている時」、「外部から一定の負荷がかかった時」です。
特に、首や肩を動かさない姿勢を続けていると、緊張状態が続いて肩こりを起こしやすくなります。

肩こりは医学用語で「頸肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)」と呼ばれます。


◆肩こりと背中の痛みの関係

背中の痛みの原因として一番多いものが「肩こり」であるといわれます。
それは、肩と背中の筋肉は隣り合っているため、肩への負担はそのまま背中に直結しやすく、肩と同様に背中の筋肉の緊張・疲労によって背中の痛みが起こります。

また、背中の筋肉に異常はなくても、肩の痛みやしびれが背中まで響いて痛みを感じていることもあります(放散痛)。


◆肩こりの原因

肩こりの三大要因は、


  • 「運動不足」、「姿勢の悪さ」、「ストレス」

であるとと言われます。

肩こりの多くは、こうした要因によって起こる筋肉疲労が原因です。

筋肉が固くこわばって"こっている"状態で、肩がダルい、重いと感じることが多く、痛み方も激しい痛みや鋭い痛みではなく、鈍い痛みが慢性的に続きます。

筋肉疲労のほかにも、骨や筋肉、内臓などの異常や病気が原因のケースもあります。こちらは比較的まれなケースですが、ただの肩こりだと思っていると、影に病気が潜んでいることがあります。

原因1 「運動不足・筋力不足」

家庭や職場など、日常生活の中で体を動かす機会の少ない人ほど、肩の筋肉が緊張して疲労が蓄積しやすくなります。また、体を動かさない人、運動する習慣のない人ほど肩の筋力も衰えるため、少ない負荷でもすぐに肩の筋肉疲労が限界を超えてしまします。

がっしりとした筋肉質の人が肩こりを訴える例はあまり見られません。例えば白人や黒人は日本人より体が大きく筋肉質な体型・体質であるため、外国では肩こりという概念自体が一般的ではありません。

原因2 「姿勢の悪さ」

肩こりや背中痛につながる姿勢

姿勢が悪いと、ただ座っているだけでも首や肩にかかる負担が大きくなります。また、あまり体を動かさずに長時間同じ姿勢を続けるのもよくありません。肩の筋肉の緊張状態が続き、筋肉がこり固まってしまいます。
デスクワークの多い事務職、座りっぱなしの多い運転手、無理な姿勢が多い調理師などの職種に肩こりの人が多く見られます。

姿勢の悪さが原因で背骨(脊椎)が歪んでしまっている方も見られます(脊椎側湾症後弯症)。
背骨がゆがむと正しい姿勢を保てなくなり、更に姿勢が悪くなる悪循環に陥ります。背骨がゆがんだ状態では、特定の筋肉に大きな負担がかかるようになるため、肩こりや背中の痛も良く起こります。

その他、腰痛の人にも肩こりが多く見られます。腰痛持ちの人は無意識のうちに腰に負担のかからない姿勢を取りがちで、その分の負担が肩や背中にかかってしまいます。

<OA作業は要注意!>

パソコン作業による肩こり

特にパソコンやスマートフォンを使った作業は、眼精疲労やストレスも加わることで非常に肩こりを生じやすく、症状も重くなりがちなため要注意です。

  • 背中を丸めて首を突き出し、画面をのぞき込むように作業をする
    →首の後ろの筋肉が緊張する
  • キーボード打ちとマウス操作
    →腕を固定して指先だけを使ったタイピング作業は腕が疲れるだけでなく、腕を支える肩にも非常に大きな負担がかかる
  • 目を酷使
    →目の筋肉が緊張した状態が続き、瞬きの回数が少なくなり、ドライアイや目の疲れ・痛みが発生する。目の痛みは肩の痛みの原因にもなる
  • 同じ姿勢で長時間作業をしがちになる
  • 机の位置が低すぎる、ディスプレイの位置が高すぎる、椅子に浅く腰掛ける
原因3 「冷え」

イラスト:エアコンで肩が冷える

「冷え」は肩こりの天敵です。
肩こりの多くは血行障害によって起こりますが、血液の流れを悪くする要因には、筋肉疲労や動脈硬化などの病気のほかに、「患部の冷え」があります。

エアコンの冷風が上半身に直接当たったり、薄着や冷たい食べ物の食べ過ぎなどによって体が冷えることが、肩こりの発症や悪化につながります。


原因4 「ストレス」

ストレスによる肩こり

ストレス性の肩こりは年々増加していると言われます。

過度のストレスは、全身の機能を調整する「自律神経」に乱れを生じさせます。その結果、血行障害を起こしやすくなり、肩周辺の血行が悪くなった場合に肩こりが生じます。また、ストレスは痛みを制御するシステムの働きも悪くするため、他の原因で生じている痛みを増幅させたり、健康な時は感じないような小さな痛みでも大きな傷みとして感じるようになったりすることが知られています。

その他、ストレスを感じた時に脳からの信号によって肩周辺の筋肉が緊張することによって肩こりが起こることもあります。

 

原因5 「その他の病気・障害」

筋肉以外の組織の異常や、内臓の病気によって、肩こりに似た症状が起こる場合があります。


  1. 筋肉以外の組織の障害
    首・肩・背中などの骨、靭帯、椎間板といった組織が、体の酷使による劣化や加齢にともなう老化現象によって変形し、肩や背中の痛みや違和感の原因になるケースです。これらは整形外科で診察・治療を行います。

  2. 更年期障害
    女性は50歳前後の閉経期になるとホルモンバランスの変化によって、肩こりをはじめ、頭痛、イライラ、手足の冷えといった様々な症状が見られる更年期障害が起こります。

  3. 骨折
    背骨にヒビが入ったり折れたりすることで、肩こりに似た症状を起こすことがあります(参考:骨折による背中の痛み)。骨がもろくなる骨粗鬆症の方は注意が必要です。

  4. 肩こりに似た症状を引き起こしうるその他の病気
    変形性脊椎(頸椎)症、頚椎椎間板ヘルニア、後縦じん帯骨代症、五十肩、胸郭出口症候群、突発性側弯症、心筋梗塞、狭心症、、胸膜炎、胆嚢炎、胆石症、高血圧症、うつ病、眼科疾患、、耳鼻疾患、骨粗鬆症など(参考:背中の痛みと肩こりを生じる疾患
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3.対策(治療と予防)

自分の肩こりの原因として考えられるものに対して有効な対策を行い、症状を改善してゆきましょう。

3-1.運動不足・筋力不足による肩こり

1.筋力トレーニングや柔軟体操(ストレッチ)を行う

筋肉を鍛えたり関節の動きを良くする運動を行うことで、大きな負荷を支え分散できるようになるほか、筋肉がほぐれ、血行促進効果もあります。肩と首の筋肉を重点的に鍛え、肩・首・背中の筋肉と関節を伸ばす体操を行いましょう。
また、腹筋と背筋をバランスよく鍛えたり背中や腰のストレッチングを行うことで、背骨の歪みを矯正して姿勢が悪くなるのを防いだり、肩に余計な負担がかかるのも防止できます。


2.定期的に体を動かす

「1」で解説した筋力と柔軟性アップの運動が最も重要ですが、全身を動かす軽めの運動も行うと更に効果が上がります。毎日散歩をしたり、家事や通勤で体を動かす時間を増やしたり、週に1、2回軽めのスポーツをするといった程度で良いので、少しずつ日常生活の中で体を動かす習慣を作ってみましょう。


3-2.姿勢の悪さや背骨の歪みによる肩こり

姿勢が悪くなる原因は、個人のクセや習慣、腹筋や背筋の筋力不足など様々です。


1.姿勢を正す(矯正する)

首、背中、腰によくない姿勢や動作を止めましょう。

  • 座ったり歩く時は背筋を伸ばし、背中を丸めた猫背の姿勢にならないように気をつける。
  • イスには深く腰かけ、あぐらや横座りはしない。
  • パソコンやスマートフォンの画面を見る時は、机や画面の高さを調整し、首が極端に上向きまたは下向きにならないようにする。
  • 座りっぱなし、立ちっぱなしなど、長時間同じ姿勢を続けず、30〜1時間に一度は休憩をとって、軽く体を動かす。少し席を立って歩いたり、座ったままで腕・肩・腰の軽いストレッチをするだけでも十分効果がある(参考:その場で気軽にできるストレッチ
  • ほおづえ、ひじまくらをしない。足を組まない。片方の腕や肩にばかり重い荷物を持たない。ハイヒールの代わりにスニーカーを履く

良い姿勢、悪い姿勢については、別項で詳しく解説しています。


2.お腹まわりの運動を行う

運動不足・筋力不足による肩こり」でも解説しましたが、腹筋と背筋をバランスよく鍛えたり背中や腰のストレッチングを行うことで、背骨の歪みを矯正して姿勢が悪くなるのを防げます。


3-3.「冷え」による肩こり

冷え性だったり、体の冷えを感じる場合は、体を温めるための対策が必要です。

  • 運動を行って体の内部から温める
  • 入浴したりホットパックやカイロをつかって内部から温める
  • 体を温める作用のある食べ物を摂取する

冷え対策については、別項で詳しく解説しているので参考にしてください。


3-4.ストレスによる肩こり

ストレスがかなり溜まっている自覚のある人は、ストレス解消によって症状が解消したり和らぐ可能性が高いです。

現代社会においてストレスを完全に無くすのは難しいため、ストレスをできる限り少なくしたり、溜まり過ぎないようにすることが大切です。そのために自分なりのストレス解消法を持ちましょう。

ストレスの発散には、自分が好きなこと、楽しいこと、心地良いと思うことを行うのが一番です。
スポーツをしたり、音楽や映画を見たり、趣味に打ち込むなど、内容は問いません。ただし、暴飲暴食、過度の飲酒や喫煙などは逆に体を害してしまう恐れがあるので止めましょう。
何も思いつかない場合は、ゆっくりと休養を取ったり、軽めの散歩などでも十分効果があります。


3-5.病気や障害による肩こり

骨など筋肉以外の組織の異常や、内蔵の病気による肩こりが疑われる場合は、その治療が必要となります。
組織の障害が疑われるなら整形外科を、病気が疑われるなら内科を受診しましょう。

以下のような症状がある場合は要注意です。

  • 一般的な肩こり対策を試してもほとんど症状が改善しない
  • 痛みがだんだん強くなる
  • 痛む箇所が日によって変わる
  • 決まった時間に痛くなる
  • 肩こりや背中の痛み以外にも内科的な症状がある
    →腹痛、胸痛、頭痛、発熱、吐き気、めまい、動悸、排便・排尿障害、手足のしびれなど

◆その他
民間療法による肩こりの治療について

画像:マッサージ

マッサージ、整体、指圧、鍼灸などの民間療法を受けて肩や背中のコリをほぐしてあげる方法もあります。
これらは「筋肉疲労やストレス」を原因とする肩こりに有効で、比較的軽めの肩こりならすぐに効果が現れるのもメリットです。
ただし、痛みの原因が、姿勢や動作などの生活習慣、骨や筋肉の弱さ、内蔵の異常などにある場合は、一時的に痛みを和らげる効果はあっても、根本的な治療にはなりませんので注意してください。

原因を把握し、有効な対策を

肩こりの原因は単純な筋肉の疲れであったり、病気によるものであったりと様々です。
原因が一つとは限らず、運動不足、冷え、ストレスなどの複数の要因がからんで生じているケースもあります。

肩こりを完全に解消するためには、原因を正確に把握し、有効な治療を行う必要があります。原因を取り違えたり、痛みの元となっている悪い習慣が改善されなかったりすると、一時的に症状が良くなっても、何度も肩こりが再発して慢性化することになります。

「肩こりの症状がひどい」、「こりや痛み以外にも不快な症状がある」、「色々な対処法を試してみたが一向に良くならない」、「何が原因なのか全く検討がつかない」といった場合は、自分だけで何とかしようとするのではなく、まずは病院の整形外科を受診してください。何が原因であり、どういった対策が有効なのか、専門の医師の指示を受けるようにしましょう。

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