痛みやコリの原因 「冷え」の解消法

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背中の痛みの対策と予防 解剖図イラスト:背中の骨・筋肉背中の痛みの体験談

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からだを温めよう! 〜 様々な「冷え」対策

体が冷えて血液の流れが悪くなる「血行不良」の状態になると、背中の痛みの大きな原因である背中の筋肉痛肩こりの発生率が非常に高くなります。
これは、血行が悪くなると、筋肉が固くなったり、栄養が十分に届かなくなることで、"こり"や痛みが生じるためです。(参考:背中痛の危険因子「冷え・圧迫」

効果的に体を温める方法や、体を冷やさないための対処法を紹介します。

<目 次>

  1. からだを冷やさない「防寒対策」
  2. からだを直接温める「温熱療法」
  3. 筋肉を動かし血行を良くする「運動療法」
  4. 温め効果のある食品
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1.防寒対策はしっかりと

まず基本は寒い場所での肌の露出をなるべく避け、からだを締め付けるような衣服を着ないことです。

◆夏場

エアコンの冷風による冷え

夏場は気温が高いので野外での防寒対策は必要ありませんが、オフィスや建物内ではエアコンやクーラーがガンガン効いている場所が多いのでしっかり対策を講じましょう。

まず、冷房からの冷風が直接からだにあたらないようにします。特に、首、肩、背中、腰に気をつけましょう。
吹出口の向きを変えたり、首振り機能を使うほか、肩にショールを羽織るなどの対策も効果的です。
全身が冷えないよう、ひざ掛けやカーディガンを利用するのもよいでしょう。


◆冬場

衣類で防寒対策

冬場は寒いからといって厚着をすれば良いとは限りません。
重ね着のしすぎや、きつめの下着や服は、体を締め付けて逆に血行を悪くしてしまいます。また重いコードなども重みで肩こりの原因になります。軽くて動きやすい服装で保温する必要があります。

ダウンなどの軽くて断熱効果の高い素材の衣類を着たり、ヒートテックなどの保温効果の高い素材のインナーを利用したり、帽子、手袋、マフラーなどで外気が衣服内に入るのを防ぐ工夫をすると良いでしょう。


2.温熱療法

冷えを感じる箇所を直接温める方法は慢性的な冷え性にも効果的です。

◆入浴・シャワー

長風呂で温める

体の芯から温めるために、38〜40℃くらいのぬるめの温度で20〜30分とゆっくり長めに入浴しましょう。
保温効果の高い入浴剤や、リラックス効果のあるアロマオイルを加えるとより効果的です。
シャワーは熱過ぎない温度で患部に直接当てましょう。水圧によるマッサージ効果も期待できます。


◆蒸しタオル・カイロ

ホッカイロで温める

蒸しタオルは、濡らして硬く絞ったタオルを電子レンジで30秒〜2分加熱して患部にあてます。
時間はタオルの大きさによって違いますので、最初は小刻みに取り出してみて、何分くらいが丁度良いか確認しましょう。
熱すぎる場合は乾いたタオルなどで包んで使いましょう。

カイロは貼るタイプのものを下着や衣服の上から貼ります。コリもあるなら温湿布がなお良いです。

いずれも患部が「熱い」ではなく「暖かい」と感じる温度で使用するのがポイントです。それほど熱く感じなくとも長時間直接肌に熱が加わると低温やけどの危険性があります。
一日15〜30分を目安にして、ズキズキとした痛みや患部の腫れが見られる場合は逆効果ですのですぐにストップしてください。

温熱療法については別項で詳しく解説しています。

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3.運動療法・マッサージ

イラスト:散歩・ウォーキング

体を動かすことは、全身を温めて新陳代謝や血行を良くするだけでなく筋肉も鍛えられるため、冷えや筋肉のコリ対策にはうってつけです。

軽めの運動やスポーツを定期的に行うのが望ましいですが、室内で体操やストレッチを行ったり、近所を散歩したり、家事をたくさん動くよう意識して行ったり、通勤時に歩く時間を増やすといったやり方でも十分効果があります。

マッサージも、患部を温めたり固まった筋肉をほぐすことができます。冷えが慢性的なものなら鍼灸も良いでしょう。

4.体を温める効果のある食べ物

ゴボウや玉ねぎなどの「根菜類」には身体を温める作用を持つものが多くあります。
根菜とは食用部が地面より下(土中)にあるものです。また北国原産の食物にも温め効果のあるものが多いです。
逆に南国原産の食べ物や甘い食物など身体を冷やす効果のある食物もあるのでこれらは避けるようにしましょう。

種別 身体を温める作用のある食物 身体を冷やす作用のある食物
野菜・海藻 ゴボウ、人参、やまいも、ねぎ、たまねぎ、れんこん、かぼちゃ、にんにく、しょうが、にら、しそ、うど、ふき、よもぎ、漬物、佃煮、わかめ、塩こんぶ、ひじき、のり 大根、レタス、白菜、ほうれんそう、トマト、ピーマン、きゅうり、小松菜、なす、たけのこ、春菊、かぶ、こんやく、いんげん、みょうが、なめこ、ところてん、モズク
果物 さくらんぼ、ぶどう、プルーン、梅、なつめ、栗、乾燥果物 バナナ、パイナップル、みかん、レモン、メロン、トマト、キュウリ、スイカ、柿、梨、グレープフルーツ、マンゴー、パパイヤ、キウイフルーツ
穀類 ごま、あわ、ひえ、そば 小麦、大麦、白米、白パン
飲み物 紅茶、番茶、ほうじ茶、日本酒、赤ワイン 牛乳、ビール、ウイスキー、焼酎、コーラ、ジュース、コーヒー、ココア、緑茶
動物性食品 赤身の肉、卵、チーズ、塩干し魚、赤身の魚、白身の魚、淡水魚、鯉、塩辛、数の子、するめ、たこ、いか、明太子、ちりめんじゃこ ハム、ベーコン、ソーセージ、鯨肉、かまぼこ、ちくわ、くらげ、マグロ、バター、マヨネーズ、クリーム
調味料 味噌、しょうゆ 白砂糖、化学調味料、化学薬品、ドレッシング、酢
菓子類   チョコレート、アイスクリーム、ようかん、カステラ、あんぱん、アメ、キャラメル、甘納豆

同じ食物でも、火を通したり、塩漬けにしたり、発酵・乾燥させることで身体を温める効果をもつようになります。また、砂糖を代表とした甘味料を使った甘い食物・お菓子類は、総じて身体を冷やす効果があるものばかりなので食べ過ぎないようにしましょう。

白米や小麦といった主食類も身体を冷やすものに分類されていますが、あまり神経質になることはありません。身体を温める効果のある食物をおかずに多く取り入れて調整しましょう。

◆血行をよくする食物・飲み物

血行改善する食物

ビタミンE、DHA、EPA、クエン酸といった栄養素には、血管を拡張させて血行を良くし、新陳代謝を促進する作用があります。
また、砂糖の含まれない無糖の炭酸水(発泡水)にも血管を広げて血行を良くする働きがあります。

  • ビタミンEを多く含む食べ物は、「ごま」、「アーモンドなどのナッツ類」、「アボカド」、「かぼちゃ」、「うなぎ」、「オリーブ油」などがあります。
  • DHA・EPAを多く含む食べ物は、アジ、サバ、イワシ、サンマなどの青魚類です。
  • クエン酸を多く含む食べ物は、レモン、梅ぼし、グレープフルーツなどの酸味のある食物です。
  • 砂糖類は身体を冷やす効果がありますので、炭酸水は砂糖の入っていない無糖のものを飲みましょう。
  • タマネギやニンニクに含まれるアリシン、ショウガの辛み成分であるジンゲロールなども、血液循環を促し、カラダを温める働きがあります。

<ポイント>

  • たまねぎ、にんにく、しょうがは身体の温めと血行促進の両効果が期待できるので積極的に採る
  • 大豆食品や根菜類を食べる
  • 甘いものを食べ過ぎない
  • チーズを除く乳製品、カフェインの多い飲み物、夏の食べ物、南国のフルーツなどは控えめに

「この食品は絶対食べない」といったふうに決めてしまうと摂取品が限られてしまいストレスの元にもなります。あまり深く考えずに温め食品は多めにメニューに取り入れ、冷え食品は少なめにするといった程度で良いでしょう。

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