強直性脊椎炎で痛むケース

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強直性脊椎炎とは(症状・原因・治療)

背中の痛みを引き起こす可能性のある病気の一つに「強直性脊椎炎(きょうちょくせいせきついえん)」があります。
ここでは背中の痛みとの関係を交えながら解説します。

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1.強直性脊椎炎が疑われる症状

背中の痛みのほかに、以下のような特徴や症状が見られる場合、強直性脊椎炎が発症している可能性があります。



初期の症状は、背中や腰が重たく感じる程度で、朝起きた時や同じ姿勢を続けている時に"筋肉痛のような痛み"が起こります。
ほかにも足の痛み、手足の関節痛、その他の複数の関節の慢性的な痛みなどが見られます。

病気が進行すると、しだいに背中や腰が固くこわばり動かせなくなってきます。1〜2年もすれば背骨がほとんど動かせないくらいに固くなり、重症時には首から腰まで背骨の骨同士が完全にくっついて一本の棒のようになり、体を曲げることが全くできなくなってしまいます。

2.強直性脊椎炎とは? 〜 特徴や原因

脊椎や骨盤の関節に線維化骨化が起こり、骨と骨とがくっついてしまう病気が強直性脊椎炎です。
つまり、関節がスムーズに動くために欠かせない椎間板などの軟らかい組織が、硬い組織や骨に変化して関節が動かなくなってしまうものです。

ひどくなると、肩、股、膝などの大きな関節にも発生して、からだがほとんど動かせなくなります。

脊椎の構造(選択拡大)



骨盤の関節(仙腸関節)


◆骨化が起こる原因

詳しい原因は分かっていません。
特定の遺伝子型(HLA-B27)をもつ人に多く発症することから遺伝的な要因があると考えられています。これに加えて、細菌やウイルス感染をきかっけに免疫システムに異常が発生した結果、患部に炎症が生じて痛みや骨化が起こっている可能性があります。

◆強直性脊椎炎が発症しやすい人

患者のほとんどが10〜20代の若者で、男性に非常に多く、女性の5〜10倍です。
患者数は日本で400〜500名で、発症は比較的まれな病気です。
また、関節リウマチに合併することがあり、リウマチ患者の約6%に強直性脊椎炎がみられます。

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3.診断・治療・予防

◆診断

骨化してつながった脊椎
(レントゲン画像)

初期の段階では目立った症状がなく、レントゲンなどの画像検査でも異常が見られないため、筋肉疲労やストレスが原因の痛みと診断されることが多く、正確な診断が難しい病気です。

症状が進行すると、X線検査(レントゲン)で関節部に骨化などの変化が確認できるようになります。
血液検査も診断の参考になります。血沈亢進、白血球・血小板の増加、C反応性蛋白(CRP)上昇などが見られれば、体内に炎症や細菌感染、組織の破壊などが起きている可能性が高まります。

◆治療

はっきりとした原因が分からず、進行を止めたり完治させるのは難しい病気であるため、表面的な症状を解消したり和らげるための治療(対症療法)が行われます。

関節の動きが悪くならないように、日常生活において体を動かす機会を増やし、水泳などの全身運動や機能訓練などの運動療法を積極的に行います。
痛みに対しては、消炎鎮痛薬、抗リウマチ薬、生物活性剤などの薬物療法を行います。
背骨が曲がってしまったり、骨が完全に癒着して関節が機能しなくなった場合は、背骨を矯正する固定術や、人工関節に入れ替える人工関節置換術などの手術が行われることもあります。

【関連項目】

合併症について

強直性脊椎炎は直接生命を脅かす病気ではありませんが、重症化した場合に以下のような様々な合併症を起こすことがあります。

4.その他

【受診科】

【強直性脊椎炎の原因となる病気】

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