椎間板ヘルニアで痛むケース

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椎間板ヘルニアとは(症状・原因・治療)

背中の痛みを引き起こす可能性のある病気の一つに「椎間板ヘルニア(ついかんばんヘルニア)」があります。
ここでは背中の痛みとの関係を交えながら解説します。


1.椎間板ヘルニアが疑われる症状

ぎっくり腰

背中の痛みのほかに、以下のような特徴や症状が見られる場合、椎間板ヘルニアが発症している可能性があります。



  • 腰に急な激痛が起こる
  • 足やお尻のしびれ(坐骨神経痛)
  • 前かがみになると痛みやしびれが強まる

背中の痛みが見られるケースはさほど多くなく、痛みがあってもあまり気にならないかもしれません。
というのも主な症状である"腰の痛み"の方がとても大きいからです

「重いものを急に持ち上げた時」、「急に姿勢を変えた時」、「腰に急激なひねりを加えた時」などに突発的に激しい腰痛に襲われるケースが多く、大抵の場合、痛みが現れた直後から腰を一定以上前に動かそうとすると強く痛み、動かすことができなくなります。
更にひどい、いわゆる"ぎっくり腰"の状態では、あまりの痛みにほとんど身動きすることもできず、床に横になると痛みが楽になるのが特徴です。腰をくの字に曲げた姿勢で横に寝ると特に症状が和らぎます。

激しい痛みは安静にしていれば1〜3週間ほどで消え、そのまま治ることもありますが、慢性化することも少なくありません。腰に負担がかかる前かがみや中腰の格好でしばしば痛みを感じ、何かの拍子に再発することも多いです。

2.椎間板ヘルニアとは 〜 原因と特徴

背骨は「脊椎(せきつい)」というブロック状の骨が30個ほど重なって形成されており、それぞれの脊椎の間には、椎間板というクッションの役目を果たす軟骨組織が挟まっています。
この椎間板が変形することで近くの神経が圧迫され、痛みやしびれを生じる障害が椎間板ヘルニアです。

腰まわりに起こるケースが多いため、腰椎(ようつい)椎間板ヘルニアと呼ばれることもあります。

脊椎の構造(クリック拡大
背骨・椎骨・椎間板
脊椎・椎間板の老化過程
画像:椎体と椎間板の変性過程

脊椎のうち、首の部分(頚椎)で起きたものを頚椎(けいつい)椎間板ヘルニアといい、こちらも背中の痛みが見られることがあります。

◆椎間板が変形する原因

椎間板は本来、成分の80%が水分の柔軟な組織ですが、仕事や運動などで腰を酷使する姿勢や動作を続けて負荷が蓄積したり、加齢にともなう自然な老化などによって、椎間板の水分は徐々に少なくなり、硬くなって弾力性がなくなります。

負荷を吸収・分散する機能が低下した状態で大きな負荷がかかった時に、固くなった椎間板に亀裂が入り、ついには椎間板が押しつぶされて中身の「髄核」が外に飛び出してしまいます。

さほど飛び出していない状態では神経の圧迫も弱く、特に症状が現れないことが多いですが、神経が強く圧迫されるまで大きく飛び出してしまうと痛みを生じます。

ヘルニアの神経圧迫
図解:ヘルニアによる神経刺激
◆椎間板ヘルニアを発症しやすい人

  • 20代〜50代の男性
    なかでも20代、30代によく見られます。これらの年代は働き盛りで、激務で腰や背中に過剰な負担をかけたり、疲労の蓄積を繰り返してしまうことが要因の一つです。
    10代の若い世代では椎間板の老化が始まらず、60代以降の高齢者では逆に椎間板がカチカチに固まってしまって髄核が外に飛び出さないため発症が少なくなります。
  • 腰痛になりやすい仕事

  • 「姿勢が悪い人」や「前かがみの姿勢が多い人」
    立ちっぱなしや座りっぱなしなど、長時間同じ姿勢をとることは椎間板の周りの組織(椎骨や椎間板をつなぐ靭帯)に大きな負担がかかります。
    デスクワークが多い事務員、運転手、看護師、介護士、弁護士、工場などの現場労働者、運搬・配達業者などの職業が多いです

  • スポーツ選手やダンサー
    野球やゴルフなど、腰の強いひねりをともなうスポーツは特に椎間板を損傷しやすいです

  • 何回もぎっくり腰を起こしている
    徐々に椎間板が背中側に突き出していきます

  • 肥満ぎみの人や身長が高い人
    肥満による体重増で腰や背中への負荷が増えます。身長が高いほど腰を曲げた時の負荷が大きくなります

  • タバコをよく吸う
    ニコチンの血管収縮作用で血流が悪くなり、椎間板に十分な栄養が届かず変性が進みます

  • 親兄弟に腰痛持ちの人がいる
    遺伝的要因があるという医学的な考え方もあります
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3.診断・治療・予防

◆診断

はじめに問診、視診、触診、打診などの基本的診断を行い、腰痛やしびれなど椎間板ヘルニアが疑われる点があれば、より詳しく調べるために「神経学的検査」や「画像診断」を行います。

神経学的検査

ヘルニアの有無を調べる検査

ヘルニアによる神経障害の有無を調べるのによく行われるのが「ラセーグ・テスト(SLR)」です。仰向けに寝て膝を伸ばしたまま足を上げていき、60度くらい上げたところでお尻に痛みやしびれが走るとヘルニアの疑いが高まります。 その他、つま先立ちによる下半身の筋力の状態、知覚や腱反射の異常を確認し、痛みやしびれの程度、異常のある神経系統を調べます。

画像検査

更に詳しく調べる必要がある時は画像診断を行います。
骨を映す「X線(レントゲン)撮影」ではヘルニアの有無や神経の状態は分からないため、MRI検査やCTスキャン、脊髄造影検査(ミエログラフィ)等が必須となります。椎間板の状態、髄核の飛び出し具合、神経の圧迫具合を調べます。

【関連項目】

◆治療・予防
大半は安静にすることで自然に治る

ヘルニアがあっても、症状が重くなければただちに手術を行うことはなく、まずは保存的療法(手術以外の治療法)を行い、痛みを抑えながら様子をみるのが一般的です。
というのも、腰や背中に負担をかける姿勢や行為をひかえていればヘルニアの90%は自然に治ってしまうからです。

発症から3か月で約80%の人に痛みの軽減など症状の改善が見られるという調査結果があり、長い人でも一年もすればだいぶ良くなります。

ヘルニアが自然に良くなるまでは、安静を保ちつつ様々な治療法で痛みなどの不快な症状を抑えます。
患部が痛む姿勢を避けるよう徹底しつつ、痛み止めや炎症を抑える薬を服用する「薬物療法」、患部を温める「温熱療法」、体操やストレッチなどの「運動療法」を中心に行います。
そのほかコルセットをつけるなど、腰や背中に負担をかけないようにすれば、痛みは多くの場合2〜3週間で軽くなります。

痛みがひどい急性期や、症状が長引いたり悪化した場合は、神経に麻酔薬を注射する「硬膜外・神経根ブロック」、腰を物理的にひっぱる「牽引療法」なども行われます。症状によっては入院して治療を行います。

こんな場合は手術を検討

以下の様なケースではヘルニアを切除する手術を行います。

  • 3か月以上保存的療法を行っても症状が良くならない、または更に悪化した場合
  • 激しい痛み、歩行障害、マヒ症状などで日常生活に支障をきたしている場合
  • 排尿障害や極度の便秘など馬尾症状が見られる
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