腰や背骨にも異常がみられる病気・障害
背中の痛みのほかに、腰まわりや背骨に様々な症状が現れる可能性のある病気や障害を紹介します。
現れる症状の内容や程度には個人差がありますので、あくまで参考とするに留めてください。
病名をクリックすると、病気の詳しい解説ページに移ります。
<目 次>
1.腰の痛みや違和感
背中の痛みのほかに腰痛や腰の異常も伴うものには、「腰や背骨のケガ・病気」、「腎臓の病気」、「子宮の病気」などがあります。
- もともと腰痛や腰の障害があり、その後、背中も痛みだした
- 腰痛持ちだったり、腰周りの骨にゆがみやズレがあると、背中にかかる負担が大きくなって痛みを生じやすくなります
- 息を吸った時に背中が痛む(肋骨の骨折)
- 腰や下半身の痛み、しびれ(背骨の骨折)
- 背骨のゆがみがはっきりと見てとれる
- 猫背がひどい
- 事故や転倒などによる胸や背中への強い衝撃
- 姿勢の悪さ、腰に負担のかかる姿勢の継続、加齢、発達障害など
通常はまっすぐな背骨が左右にゆがんだ状態
- 腰や背中の痛み
- 背中を後ろから見た時に、背骨が左右に曲がっていたり、左右の肩・背中・腰の高さが違う
- 姿勢の悪さ、筋肉の発育不良、肥満、背骨の病気など。成長期の子ども(特に10代の女子や肥満児)に多い
背骨が通常よりも大きく前後に曲がった状態
- 猫背がひどい
- 腰が痛む
- 姿勢の悪さ、生まれつき、成長期の骨の発育、加齢、背骨の病気など
背骨が加齢などで変形したもの
- 腰がだるい、重い、鈍い痛みを感じる
- 腰を後ろに反らせた時や、動作の始まりや疲れた時に痛みが強まる
- 入浴中は症状がとても和らぐ
- 40歳以上以降の高齢者、特に男性に多い
- 50歳以上で更年期障害のある女性にも多い
- 加齢などによって腰まわりの背骨が変形し、周辺の組織を刺激する
背骨を構成する軟骨組織「椎間板」がつぶれて、中身が外に飛び出た状態
- 腰の急な激痛(急性型)、鈍い腰痛が長く続く(慢性型)
- 足やお尻のしびれ、痛み、脱力感
- 前かがみになると痛みやしびれが強まる
- 20〜50歳代の男性(特に20〜30代)に多く、10代の若者や60代〜の高齢者には少ない
- 加齢や腰への負担の蓄積による椎間板の老化
背骨の神経の通り道が狭くなり、中の神経が圧迫される障害
- 腰から足の痛みやしびれ。一度に長い距離を歩けない。
- 上体を後ろに反らすと痛みやしびれが増し、前かがみになると楽になる
- 50歳以上の高齢者、若いころから腰痛持ちの人、腰のケガや病気を繰り返している人などによく見られる
- 加齢、病気、ケガなどによる腰椎の骨や靭帯の変形
骨の密度が減り、骨の内部がスカスカになってもろくなる病気
- 腰や背中に長くしつこく続く痛みがある
- ちょっとした衝撃で骨折する
- 以前より背中や腰が丸まってきた(曲がってきた)
- 閉経後の50歳以上の女性に圧倒的に多い。男性にはほぼ見られない
- 加齢、カルシウム不足、運動不足、痩せすぎ、飲酒・喫煙、ストレスなど。特に更年期(50歳前後)以降の女性は骨量が大きく減少する
背骨や骨盤の関節組織が骨に変わりくっついてしまう病気
- 腰や背中が重たく感じたり、固くこわばって動かしにくい。または筋肉痛のような痛みがある
- 日本の患者数は400〜500名の珍しい病気。患者の大半が10〜20代の若者で男性に多い
- 詳しい原因は不明。遺伝的な要因があると考えられている
脊椎(背骨)に細菌が侵入して炎症を起こし膿(うみ)がたまる病気
- 腰や背中の突然の激痛
- 動かず安静にしていても痛み、患部をたたくと非常に痛む
- 寒けがして熱が出ることもある
- 病気などで化膿した部分の細菌が血管を通じて感染する
- 膀胱炎などの泌尿器や生殖器系の病気で生じた炎症が血管を通じて広がる
結核の原因となる結核菌が脊椎に感染して炎症を起こす病気
- 腰や背中の中心に鈍い痛みやコリがあり、患部を押したり叩いた時にも痛む
- 発熱、だるさ、疲れなど風邪のような症状が出ることも
- 過去に感染した結核菌が体内に残っていて、免疫(抵抗力)の低下によって再び活性化したり、周囲の結核患者から感染したりする
脊椎(背骨)や脊髄(中枢神経)にできる、良性または悪性の腫瘍(しゅよう)
- 腰や背中に鈍い痛みがしつこく長く続く
- 動かず安静にしていても痛み、患部を押したり叩いた時も痛む
- 激痛、めまいや頭痛、手足のしびれ、排尿・排便障害などが見られることも
腎臓が細菌に感染して炎症を起こす(腎盂炎)、腎臓内に石ができる(腎結石)、悪性腫瘍ができる(腎臓がん)、腎臓の静脈の血液の流れが悪くなる(腎静脈血栓症)、腎臓の動脈がふさがり血液が流れなくなる(腎梗塞)
- 腰、わき腹、背中あたりの痛み
- おしっこの回数が増えたり、排尿痛や残尿感がある(腎盂炎)
- 発熱、頭痛、ふるえ、だるさなど、かぜによく似た症状(腎盂炎)
- 血尿が出る(腎結石・腎臓がん・腎梗塞・腎静脈血栓症)
- たんぱく尿が出る(腎静脈血栓症)
- 尿の量が少ない(腎梗塞・腎静脈血栓症)
- 「腎盂炎」:尿道からの細菌感染によるものが多い(膀胱、尿道、前立腺などの障害があると生じやすい)
- 「腎結石」:膀胱や尿道の病気・異常、水分不足など
腎臓に尿がたまる病気
- 背中やわき腹から腰、下腹部にかけての痛み
- 尿の通り道の炎症、病気、結石などが原因で流れが悪くなることで生じる。妊婦に発症することもある
胆嚢内で炎症が起きたり(胆嚢炎)、石ができたり(胆石症)するもの
- 食事後の"みぞおち"から右わき腹にかけての急な激痛。痛みは右肩や右背中まで響くことが多く、時には胸や腰にまで及ぶ
- 発熱、寒気、吐き気、疲れやだるさ
- 眼や皮膚や体液が黄色っぽくくすむ(黄疸)
- お腹の張り(胆石症)
- 食べ過ぎ、脂肪の摂り過ぎ、肥満、ストレス、不摂生、体質などが原因で「胆石」ができやすく、胆石があると胆嚢炎になりやすい
子宮内部にコブができたり(子宮筋腫)、子宮の内膜が本来とは別の箇所にもできたり(子宮内膜症)、悪性腫瘍ができるもの(子宮がん)。
- 生理期間外の性器からの出血(子宮筋腫、子宮がん)
- 生理の出血量が異常に多い(子宮筋腫)
- 生理痛がとても強い。お腹や腰が激しく痛み、頭痛や吐き気、のぼせ、むくみ、貧血などを伴う(子宮内膜症)
- セックス中の痛みや性器からの出血、貧血(子宮がん)
- おりものが増える、臭う、血が混じるなど(子宮がん)
- 「子宮筋腫・子宮内膜症」:詳しい原因は不明。30〜40歳代の女性に多くみられる
- 「子宮がん」:子宮頸がんはウイルス感染によるものが多く、性行為によって感染する。子宮体がんは女性ホルモン「エストロゲン」が長期間分泌されると発症しやすい
2.背骨の変形、違和感
通常はまっすぐな背骨が左右にゆがんだ状態
- 腰や背中の痛み
- 背中を後ろから見た時に、背骨が左右に曲がっていたり、左右の肩・背中・腰の高さが違う
- 姿勢の悪さ、筋肉の発育不良、肥満、背骨の病気など。成長期の子ども(特に10代の女子や肥満児)に多い
背骨が通常よりも大きく前後に曲がった状態
- 猫背がひどい
- 腰が痛む
- 姿勢の悪さ、生まれつき、成長期の骨の発育、加齢、背骨の病気など
通常は背中側にカープしている胸椎が前方へ突き出てしまっている状態
- 胸の痛み。特に深呼吸をした時に激しく痛む
- 背骨を後ろから押されたような圧迫感がある
- 上向きで寝れない
- ダンサーなど、柔軟性が必要な趣味や仕事の人に多い
- 胸を前に反らせるような圧力が継続的にかかる(頻繁に胸を反らせたり、背中のマッサージなどで長く胸を圧迫されるなど)
骨の密度が減り、骨の内部がスカスカになってもろくなる病気
- 腰や背中に長くしつこく続く痛みがある
- ちょっとした衝撃で骨折する
- 以前より背中や腰が丸まってきた(曲がってきた)
- 閉経後の50歳以上の女性に圧倒的に多い。男性にはほぼ見られない
- 加齢、カルシウム不足、運動不足、痩せすぎ、飲酒・喫煙、ストレスなど。特に更年期(50歳前後)以降の女性は骨量が大きく減少する
背骨や骨盤の関節組織が骨に変わりくっついてしまう病気
- 腰や背中が重たく感じたり、固くこわばって動かしにくい。または筋肉痛のような痛みがある
- 日本の患者数は400〜500名の珍しい病気。患者の大半が10〜20代の若者で男性に多い
- 詳しい原因は不明。遺伝的な要因があると考えられている
脊椎(背骨)に細菌が侵入して炎症を起こし膿(うみ)がたまる病気
- 腰や背中の突然の激痛
- 動かず安静にしていても痛み、患部をたたくと非常に痛む
- 寒けがして熱が出ることもある
- 病気などで化膿した部分の細菌が血管を通じて感染する
- 膀胱炎などの泌尿器や生殖器系の病気で生じた炎症が血管を通じて広がる
結核の原因となる結核菌が脊椎に感染して炎症を起こす病気
- 腰や背中の中心に鈍い痛みやコリがあり、患部を押したり叩いた時にも痛む
- 発熱、だるさ、疲れなど風邪のような症状が出ることも
- 過去に感染した結核菌が体内に残っていて、免疫(抵抗力)の低下によって再び活性化したり、周囲の結核患者から感染したりする